遺言書とは、被相続人が法律で定められた方式に従って、遺産の帰属先を書面で残すことにより、死後、自由に遺産の帰属先を定めることができる制度です。
遺言の内容は、相続手続きにおいて最優先されます。あなたの財産をどのように分配するかをあらかじめ決めておくことで、相続人同士の争いを防ぐことができるのです。
また、法律上の効果はありませんが、自分の希望や想いなども書くことができます。ご家族に対する希望や想いを一緒に書いておけば、残されたご家族にも遺言の趣旨が伝わりやすくなるでしょう。
遺言書は、法律で書き方のルールが決まっていて、ルールをきちんと守っていないと遺言書が無効になる場合もあります。
遺言書を作成するときは、遺言書作成のプロである当事務所にぜひご相談下さい。
目次
実は遺産が少ないほうが争いが多い
相続で揉めるというのは、たくさんの遺産がある一部の人だけというイメージがあるせいか、「うちは財産が少ないから揉めることはない」とよく聞きます。しかし、現実は必ずしもそうではないのです。
遺産額が1,000万円以下の事件件数割合は33%、さらに5,000万円以下になると75%となっており、遺産額が少ないほうが相続人の間で揉めることが多いことがわかります。
遺言書の種類
遺言書にはいくつか種類がありますが、よく利用される遺言として、自ら自署・押印し作成する自筆証書遺言と、公証役場で公的な書面として作成する公正証書遺言の2つがあります。
遺言書の作成には法律で決められたルールが多くあります。書き方が違うだけで無効となるケースもありますので、遺言書を作成するときは、司法書士などの専門家へご相談することをおすすめします。
自筆証書遺言
一番簡単に作成できる遺言です。遺言者が遺言書の全文、日付及び氏名を自書し、押印することによって成立する遺言です。ただし、一点でも法律のルールを間違えてしまうと、その遺言は無効になる可能性があります。
また、誰にも知られずに書くことができる反面、書いた本人が亡くなった後、遺言があることを誰にも知られずに手続きが進んでいってしまうケースもあります。その場合、遺言に違反した手続きを全て一からやり直す必要があります。
- いつでも紙・ペン・印鑑があれば作成できる
- 費用がかからない
- 遺言書の存在・内容を秘密にできる
- 紛失や偽造、遺言書自体を隠されてしまうおそれがある
- 遺言書により相続手続きをするには、家庭裁判所の検認の手続きが必要になる
- 遺言書の記載事項、記載方法などの不備があると遺言書が無効になるおそれがある
2020年7月10日から、法務局に自筆証書遺言の保管を申請することができるようになりました。この制度により、紛失や偽造、遺言書自体を隠されてしまうおそれや、遺言書が発見されないというデメリットが解消できます。また保管制度を申請することにより、裁判所の検認手続きも不要となります。
自筆証書遺言の書き方
詳しくは、こちらをご覧ください。
公正証書遺言
公証人役場で、証人2名以上の前で、公証人が読み上げた遺言に署名捺印することによって作成される遺言です。遺言の作成にあたって、司法書士、更に公証人の関与もあるため法律的に無効な遺言になることはありません。また、裁判所による検認という手続きを省略することが出来るため、その後の手続きを非常にスムーズに行うことができます。
自筆証書遺言のデメリットをカバーするのが公正証書遺言です。当事務所では確実・安心を考え公正証書遺言の作成をおすすめします。
- 公証人も遺言内容を確認するため、方式に不備により無効になることがない
- 遺言書により相続手続きをするために、家庭裁判所の検認の手続きが不要
- 公証役場に原本が保管されているので、紛失・焼失しても再発行できる
- 文字が書けない場合でも意思疎通できれば作成できる
- 公証人の手数料や、司法書士への報酬などが必要になる
- 証人が2人必要になる
遺言を残すメリット
遺産の分配で、争いごとが減る
遺言書を残すことで、相続手続きで相続人同士がモメることは確実に減ります。
相続が発生すると、相続人全員の意見を一致させて手続きを進めなければいけません。一つ一つの財産をどう分配していくかを決めるのは非常に大変です。遺言書で相続人の誰に、何をどの割合で相続させるか決めることで遺産分割協議も不要になります。
自分の好きなかたちで遺産を分配することができる
遺言書を残せば、何を誰にどの割合で相続させるか決められるで相続人全員で話し合う必要がなくなります。
法定相続人以外に遺産をのこすことができる
長男の妻や孫、内縁の妻は相続人ではないですが、遺言書に記載しておけば財産を渡すことができます。
相続の手続きが楽になる
遺言がない場合は、遺産の調査をしなければいけませんが、遺言書がある場合は、そこに大体の財産は書いてあるので、遺産調査の負担がかなり減ります。
また、遺産の振り分けにしても、遺言書で遺言執行者を定めて、執行者がすべての手続を行うものとしておけば、相続人の手をわずらわせることもありません。
司法書士に依頼するメリット
安心・確実に遺言を残すことができる
遺言書は少し調べればご自身で作成することもできまが、本当にその情報が正しいのかどうかは調べるのは大変です。
司法書士におまかせいただければ、安心・確実に遺言を残すことができます。
やりとりを任せられる(公正証書遺言の場合)
自筆証書遺言の場合は、ご自身で作成すればいいのですが、公正証書遺言の場合は公証人の関与が必要になります。ざっくりとご希望の内容を言っていただければ、その内容を実現できるように司法書士と公証人とで遺言書の案を作成していきます。
また、公正証書遺言では証人が2人必要になりますが、司法書士は証人になることができますので、他人に遺言書の内容を知られることがありません。
遺言書の作成はおまかせください
当事務所では、遺言書の文案作成から公証役場との打ち合わせ、証人としての立会いなど、遺言書作成に必要となる諸手続を総合的にお手伝いさせていただきます。
まずはお気軽にご相談ください。どのような遺言書を作成したらいいかアドバイスさせていただきます。
費用について
すべてのお手続きにつきまして、事前にお見積りいたします。
お手続きに関する費用については、料金一覧をご覧ください。