誰が成年後見人になれるのか

こんにちは。横浜市金沢区の司法書士の伊丹真也です。

先日、成年後見の申立てをしてきました。司法書士として成年後見制度の申立てからお手伝いをし、そのまま成年後見人に就任することもあります。

成年後見人の候補者は、申立ての際に記載することは可能ですが、候補者を記載としても、誰を成年後見人にするかは裁判所の判断となり、必ず希望が通るとは限りません。

誰が成年後見人に選任されても、不服の申立ては出来ません。さらには後見制度の利用を中止することも実質出来ません。この点が成年後見制度の利用を妨げるひとつの原因かもしれません。

目次

成年後見人候補者を選任する基準

裁判所が候補者以外の後見人を選任する場合の基準は、以下のように発表されています。

このように、様々な場合がありますが、特に

この事由に当てはまり、親族がなれない場面をよく見かけます。

親族がなれない場合に当てはまっても・・・

上記に当てはまった場合でも、専門職を「後見監督人」に選任した上、親族後見人が選任されることもあります。
後見監督人が、親族後見人の事務をチェックし、不正が起こらないように監督することで、身上監護の面での親族後見人の適性を活かす方法です。
この後見監督人を選任するかどうかについても、裁判所が職権で行います。

成年後見制度支援信託もある

「後見監督人」が選任されるのに加え、「成年後見制度支援信託」という制度がはじまりました。

多額の流動資産がある、不動産の売却などがある場合などに、一旦は専門職後見人を選任し、不動産の売却などの事務を専門職後見人に行わせます。
その後、本人の流動資産を信託銀行に信託し、専門職後見人は親族後見人へ後見事務を引き継ぎ、辞任します

信託したあとは、親族の方が後見人として事務を遂行していきます。これは、親族後見人が管理する流動資産が減り、不正のリスクも減るため、利用されるケースが増えています。

つまり、この成年後見制度支援信託が利用されれば、親族の方が後見人になることが出来ます。

まとめ

誰が後見人になれるかは、最終的には裁判所が判断することになります。ただ、後見監督人や成年後見制度支援信託があることにより、親族が後見人になれる可能性も増えています。

成年後見制度の利用の際は、当事務所までご相談ください!

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