自筆証書遺言を書くときは、次のポイントを守らないと遺言全体が無効になってしまう可能性があります。次のポイントは必ず守って下さい。
自筆証書遺言で必ず守ること
全文を自書すること
遺言書全文を自筆で書く必要があります。ワープロや代筆は不可です。
正確な作成日を書くこと
特定できる必要があるため「吉日」では無効です。反対に特定できる書き方であれば、遺言者の何回目の誕生日でも良いとされています。
ただ、後日の紛争を防ぐため、正確な日付を書きましょう。
戸籍上の氏名を書くこと
確実に特定できる呼び名であれば、あだ名・ペンネーム等でも良いとされています。
印鑑を押す
実印の要求はされていません(拇印や認印もOK)が、書面の真実性に疑義が生じるので、実印での押印が望ましいです。
遺言書を書き終わったら封筒に入れて、遺言書に押したのと同じ印鑑を押して封印します。また、封筒には遺言書の作成日も書いておきます。
遺言書を訂正するときも、その方法が厳密に決められています。書き間違えた場合は無理に訂正しようとせずに、もう一度遺言書の全部を書き直す方がオススメです。
自筆証書遺言の書き方の例
一般的な自筆証書遺言のサンプルを書いてみますが、実際に遺言書を書くときには、司法書士など専門家に相談するのが確実です。
遺言書(サンプル)
第1条 遺言者は、遺言者の有する以下の財産を、妻A(昭和○年○月○日生)(※1)に、相続させる。(※2)
① 土地(※3)
所 在 ◯◯市◯◯町◯◯丁目
地 番 ◯◯番◯◯
地 目 宅地
地 積 ◯◯㎡
② 建物
所 在 ◯◯市◯◯町◯◯丁目
家屋番号 ◯◯番◯◯
種 類 居宅
構 造 木造瓦葺2階建
床 面 積 1階 ◯◯.◯◯㎡ 2階 ◯◯.◯◯㎡
第2条 遺言者は、遺言者の有する以下の財産を、長男B(昭和○年○月○日生)に、相続させる。
① 現金 金◯◯◯円
② ○○銀行の遺言書名義の預貯金全部
第3条 遺言者は、遺言者の有する以下の財産を、長女C(昭和○年○月○日生)に、相続させる。
① 株式 ○○株式会社の株式全部
第4条 遺言書は、遺言者の有するその余の一切の財産を、妻Aに相続させる。(※4)
第5条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として妻Aを指定する。(※5)
令和〇〇年〇〇月〇〇日
住所 ◯◯◯◯◯
遺言者 ◯◯ 印
注意事項
※1.相続する人を特定できるよう、続柄・氏名・生年月日を入れます。法定相続人以外の場合(長男の妻など)は、住所も書いておきます。
※2.法定相続人に対しては「相続させる」、それ以外の人に対しては「遺贈する」と書きます。「与える」「譲る」「任せる」「承継させる」のような曖昧な言葉は避けましょう。
※3.不動産は登記事項証明書(登記簿謄本)のとおりに記載します。
※4.万が一、遺言書から漏れていた財産があった場合でも、この条文があれば安心です。
※5.遺言執行者を指定しておくと、不動産登記や預貯金の解約など、スムーズに手続をすることができます。弁護士や司法書士を遺言執行者に指定することもできます。
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